今日は thin C (think copyright) のシンポジウム『著作権には何が欠けているのか −創造の円環(サイクル)を廻しつづけるために』へ。
登壇者は下記の通り。
竹熊健太郎(文筆家、編集者) 田村善之(北海道大学大学院法学研究科教授) 野口祐子(弁護士、クリエイティブ・コモンズ・ジャパン専務理事) 山形浩生(評論家)
各自20分程度の発表の後に、ディスカッションが行われました。全体的には押し気味で、用意していたトピックの半分程度しか議論できなかったようです。久しく、著作権関連のイベントに行っていなかったのですが、いろいろと感慨深いものがありました。
興味深かったのは、「盗用問題」問題とも呼べる、竹熊健太郎さんの発表でした。
漫画/アニメにおける盗用問題の例
これらの例はすべて盗用とは言えないと思いますが、似ていると言うことで問題となった例をいくつか挙げられていました。
ミキマウス・ウォルトディズニーニ
ミキマウス・ウォルトディズニーニ とは手塚治虫さんの『メトロポリス』内に出てくるキャラクター(怪物)で、その名の通り、ミッキーマウスです。
ライオン・キング≒ジャングル大帝
逆に、ディズニーが制作した映画『ライオン・キング』が手塚治虫さんの『ジャングル大帝』が酷似していると言うことで、話題になっていました(参照)。これに対して、手塚さん側は、「手塚治虫がディズニーに影響を与えていたなら光栄だ」という旨の発言をされたようです。
末次由紀さんの盗用疑惑
漫画家末次由紀さんの作品の中で、いくつかの場面が、既存の作品(写真/漫画など)からトレースしているのではないか、という盗用疑惑がありました(参考)。『スラムダンク』からのトレースもよくあるようで、参考URLを見ていると、たしかに似ているなあという感じです。
このことが問題となり、講談社は作品の絶版・回収を行ったようです。
スラムダンクも盗用疑惑
そして盗用元であったはずの『スラムダンク』も盗用疑惑。
「盗用問題」問題
劇画系作家の方たちは、写真をもとに作画することはよくあることで、つまりモデルは何かしら存在するということもしばしばあるようです。これは昔からあるようですが、現在はインターネットがあり、有志たちが検証したので、結構見つかっています。
構図の写真を自分で撮ってトレースしている作家さんもいるらしいのですが、その人が南極の写真をわざわざ撮りに行くのも想像しづらいことです。
たしかに盗用していることには変わりはないんだけれど、数枚のパクリカットが作品すべてを否定することにはならない気もしますし、それこそ今日のテーマにあるように、創造のサイクルを鈍らせてしまう恐れもあります。単に「盗用問題」で片付けるのではなく、その線引きがどこにあるのか、竹熊さんも仰るとおり、とても難しいテーマでした。

